月に行かない破局した有名カップル

ZOZOの前澤友作社長さんと剛力彩芽さんがまだ記事になってますが

この元ビックカップルの顛末には誰もが苦笑いしつつ生ぬるく見ていることでしょう。

「私は月へは行けない」と言った剛力さんのセリフがドラマのようだと話題になりました。

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月には行けないから破局した剛力彩芽さんと前澤社長さん

実際、それが真相のようです。

「(剛力に)宇宙へ一緒に来てよって言ったら、トレーニングもしないといけないし。決まっている仕事は入れられなくなっちゃいますよね。明いてる時だけちょこっとやるっていうような」と方向性のズレが理由

壮大すぎて意味不明ですが、剛力さんが人間として社会人として真っ当です。

また前澤さんは他の女性との間にお子様もおられ、今後も誰とも結婚は考えていられないご様子。

容易に想像がつきます。

ある夜、前澤さんに「大事な話がある」と高級ホテルのディナーに誘われます。ドキドキしながら席につく彩芽さん。「結婚して温かい家庭を作ろう」と言われるかと覚悟を決めたところ

「月に行こうと思うんだ、君にもついてきてほしい」

と決死の表情で前澤さんは言ったに違いない。

新婚さんいらっしゃい、のようにズッコケることでしょう。

「私は月へは行けない」と言うしかないじゃないですか。

妙齢の女が月になんて行きたいわけないじゃないですか。箱根の温泉旅行の方が100倍も魅力的です。ふざけんな一人でいけや、と誰もが言うことでしょう。

宇宙世代とそうでない世代の感覚の格差

それにしてもホリエモンさん前澤さんといい、オジサンたちはなぜこうも宇宙を目指すのでしょうか。

流行った「下町ロケット」というドラマもロケットエンジンを中小企業が作るドラマでした。社長が何度も会社を傾かせてはロケットに金と労力をつぎこむ。オッサンたちが寝食を忘れて(労働をブラック化させてまで)宇宙を目指そうとする。

我が亭主も胸アツな感じにあのドラマを観てましたが、私はしらけてました。そんなことより、残業代だせよ。もっと金になる仕事をして社員の生活をラクにしてやれ、と。

これは男女の違いもあるでしょうが、世代間格差もあると思います。

アポロが月面着陸したのを体感した世代は、宇宙に憧れを抱いています。

1969年、私が生まれた年です。万博博覧会にも月の石が展示され、おおいに少年少女の夢をかきたてました。当時の小学生の夢は「宇宙飛行士」が多く占めました。

アラフォーアラフィフ世代は宇宙と月旅行に並々ならぬ執着があるのです。浦沢直樹さんの「20世紀少年」にはこの世代の夢と現実が描かれています。日本の高度成長期と衰退、そしてカルト。

預言的なマンガでした。

この時代の空気を吸ってきたのがホリエモンさんや前澤友作さん世代です。(44歳)お金もうけをしたらそれを使って宇宙に行きたいとなるのは当然です。

一方、剛力彩芽さんは27歳。平成生まれ。おじさんたちが宇宙がどうのと目を輝かせるのを理解できない。好きな人の言うことだから応援したいと思うものの

いざついてきてくれと言われても、放射線やらで身体にも影響があるでしょう。子供ができなくなるかもと健康上のリスクも考えたに違いありません。結婚もしないと言われたら「私はなんのために一緒にいるのかな」と当然の疑問を持つ。

オンナはオトコをATMにしようとしている、オトコの夢より贅沢な結婚生活かよ、と立腹されようが、年を重ねるごとに女性は身体的にシビアにならざるを得ません。安心して巣作りをしたいというのは大勢の女性の本能です。

先日あのキューブリックの「2001年宇宙の旅」のビデオを観てました。亭主は真剣に見てましたが、私は爆睡してしまいました。わけがわかりません。

キューブリックなら「シャイニング」を私を推しますね。ノイローゼの亭主が狂って雪の中を暴れまわる展開の方がよほどリアリティがあります。宇宙はどうもね…。

すっかりオジサンオバサン向けの雑誌と化したモーニングの「宇宙兄弟」が最近では人気です。

内容は同じく宇宙飛行ですが、プロの仕事人の人間関係や試行錯誤、現実的なテクノロジーが展開します。より宇宙が現実的になった時代の漫画です。

今の若者は宇宙を目指さない

毎年話題になる、子どもの将来の夢。

私たちが小学生の時は宇宙飛行士にみんななりたがったものですが。

最近の子供たちの夢、宇宙飛行士が上位にはなりません。

宇宙だのなんだの世相が浮かれる余裕がない。日本が貧しくなってきたという現実がある。宇宙行きを考えるのは浮世ばなれした金のあるオジサンだけです。

アポロが月面に行ったと現実感がないのが今の若者です。

せいぜいユーチューバ―やIT系なりたい人が多い。女の子はやっぱ相変わらずですね。ケーキ屋さん保母さんとかが人気です。女子は内向きに巣をつくる傾向があります。

これはジェンダー教育のせいではなく、脳にそういう傾向があるかと思われます。

しかし女性も宇宙を目指す人はいるんです。アポロを体感した世代は女性は宇宙を目指しました。向井千秋さんも女性の宇宙飛行士です。

SFマンガも少女漫画は花盛りでした。(今は恋愛ものが主流)

萩尾望都さん「11人いる!」「百億の昼と千億の夜」や竹宮恵子さんの「地球へ…」のようなマンガです。スケールの大きい宇宙ものは女子男子関係なく胸躍りました。

今の少女漫画に宇宙をテーマにしたものはあるのでしょうか。「ちゃお」が宇宙どころかエロに傾きすぎだとの話は聞きますが。ちょっと卑近すぎやしませんかね。

私は一時期「那由他」という少女漫画にはまりました。今みたら、何がなんだかわかりません。壮大すぎて。この世界観を少女漫画でやるとは。読んでみてほしいです。「2001年宇宙の旅」の少女版というか…。作家にも掲載した小学館にもリスペクトしかありません。

那由他 全3巻完結

宇宙に行かない女子たち

ということで、剛力彩芽さんは月には行かない。前澤さんは宇宙に必ず行くだろうし、剛力さんは行かない。

同じく月には行かないだろう女子として並べたい人がいます。

グレタ・トゥーンベリさん、16歳の自然活動家の少女です。

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「よくもそんなことを」と激高して世界中のおじさまたちの不興をかう

文明の利器、飛行機を使うことを拒否して、舟、ヨットで世界中を行くのだから徹底的です。

この人と支援者たちにとってはロケットを作り宇宙旅行に行くなど神への冒涜でしかありません。

何言ってるんだ、科学の進歩でみんな飢えることもないし便利になっているんだ、現実を見ろ、とオジサンたちはムカついてます。

グレタさんのムカつく感じと可愛い感じ

が、彼女は彼女で科学を見据えていってます。実際、ここ数年の気候の荒れっぷりは温暖化が絶対に関わっています。温暖化がなければ季節外れの台風で千葉県の家屋の屋根は吹き飛ばなかったはずです。

しかし、なぜ、この子の顔を見ているとなんだかイラつくのか。(私も実際むっとします)自称「現実的」なおじさんたちに不況を買うのか。

日本語の訳もなんだか厭らしいですね。「よくもそんなことを」と彼女の言を訳してますが、今の若者は「よくもそんなことを」なんて言い方しません。「Such a thing」なんでしょう。せいぜい「ありえない!」くらいにしておけばもうちょっと日本の若者にも刺さるんじゃ。

グレタさんは16歳、未成年、子供。日本は他国よりも子供を下に見ている傾向がある。

さらには女の子が言っているというバイアスがあるのは間違いない。新入社員の女子がいて、素直にまずはルーティンをこなしてくれてたらいいのに、会社の不正を暴いてまわろうとしているように見えます。あるいは、近所にいるスピ自然派の主婦。カルトにやられた感じの目でド●ラのオイルを勧めてまわり、ワクチンを否定し人の食事にアレコレものを言う人々。

とはいえ、そういった人々の訴えが真実を突いていることもある。実際グレタさんは正しい部分もあるのです(飛行機に乗らないのはどうかしてるが)

聞く耳のある人、そういったバイアスを抜きに考えられる人は素直に胸うたれます。徐々に彼女の訴えに同意し、ついには世界は動きつつあるようです。

グレタさんのCOP25移動、スペイン政府が支援

子供の言うことだとあざけりつつも、なんだかだんだん無視できなくなる。訴えの一理があるのはもちろんですが 何よりも純粋すぎるあの目です。

グレタさんを見るたびに奈良美智さんの描いた絵を思い出します。

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睨みつける純粋なグレタさんの眼差し

似てませんかね。この目つき、怒り。でも子供なりに真剣に全身で何かを訴えているあの顔。愛おしく、だんだん、その声に耳を傾けたい気持ちになります。

社会性や人の目やジェンダーやしがらみが一切ない子供の純真な訴え。子供ゆえに少女ゆえに人の心を打つことがあります。

月に行かない女神たち

こういった尖鋭的な思想や原理主義的な運動には特徴的なこと。不思議なことに必ず女神的なシンボルがいます。グレタさんもそうです。

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ドラクロア「民衆を導く自由の女神」革命の象徴

ジャンヌダルクから、学生運動の樺美智子さん、最近では香港デモなど。尖鋭的で大きな運動には女神がいることが多い。彼女たちは尖鋭的で美しく、神がかってます。

オンナ子供は政治に口を出すなというオジサマたちが大多数なのになぜそういうことがあるのか。

「村上海賊の娘」という小説には、女神的な存在が群れの統一をもたらす意味が書かれていました。

今は女子がどの職場にも多いですが、昔はどの職場にも1人だけの事務おばちゃんというのがいました。(いると職場がまとまる)という話を聞いたことがあります。

いずれにせよ、グレタさんをシンボルに温暖化対策運動が盛んになっていくことは間違いありません。

確かに月にはいずれ人類は旅行するだろう。火星にも行くだろう。人類の英知はすばらしい。しかし、私をはじめ大多数の主婦は人々は一生縁がないと確信しています。それよりは、昨日の台風で飛んでしまった塀を元に戻さないとやばい。水害に合わない住居がほしいのです。

月に行く人、行かない人、どちらにも意味があります。どちらもカッコいい生き方です。

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二人とも文明の利器には興味がない女子

剛力さんにも月に行かなかった女神としてこれからも堂々と活躍してほしいです。文字通り地に足をつけて女優業を頑張っていかれるでしょう。