魚に別れを言うこともできない

パンデミックが収まるどころか、これから本格化しそうですね。

引っ越しに向けて、関西の行っておきたいところ。その一つが琵琶湖博物館です。が、ついに休館してました。

琵琶湖博物館は湖なので淡水魚しかいない。なのでジミーな茶色や灰色の魚がうろうろしてます。それが意外にかわいく個性豊かで楽しい。日本の魚らしい愛らしさで心がなごみます。

ミュージアムのレストランは、なんとブラックバスが食べられる!天丼で、白身で結構おいしいんですよ。

はやく収束しないかな…。自粛頑張ろ~

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魚博士のさかなクンさん トレードマークはカラフルなふぐの帽子

琵琶湖博物館、楽しいんですよ!関西では海遊館が有名ですが。

さて、さかなクンさんといえば、言わずとしれた魚の博士さん。頭に載っているカラフルなフグの帽子がキャッチーです。

さかなくんさんの顔って眉は濃いし唇は厚いし、情報が多いんです。たぶん普通にしてたら、濃い顔で、何の人か分かりません。その顔に可愛い帽子をかぶることで、ブランディングされてるんですね!

頭に何故盛るのか

そういえば、最近、頭に飾りをつけまくる文化についての考察を読みました。

人間は何故、頭に何か載せるのか。盛るのか。

さかなクンと同様にブランディング、キャラを立たせる、という意味合いが強いでしょう。

私もかつて可愛いハンドメイドのキャップを被り席描きをしたことがありまs。怖いゴツい自分のキャラをなんとか柔らかくしようと…しかし、そのファッションは、生来の性格の変さと顔の怖さを隠すどころかマシマシとなり、客の子供が何かを感じとり、ますます泣かれるハメになり、半年程度しか持ちませんでした。

頭に何か置く、盛る、派手にする事は、このように目的があります。

たとえば、動物のライオンのオスの頭がハデなのは

威嚇したり 異性の眼を惹きつけたり

弱い自分を強く見せたり、増幅したり、あるいは消したり、統一したりと。様々な効果があります。

頭に盛っている女性社長

さまざまな頭の目立つ有名人、著名人たちを描いてみました。

▼二人の女性社長

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アパホテル社長、元谷芙美子さん いつも頭に派手な帽子をかぶっている

一体どこでお買い求めになったのか分からない不思議なデザインの帽子をかぶってらっしゃる。アパホテルの元谷芙美子社長さん

コロナ罹患者の受け入れを表明したアパホテル。軽症でアパに泊まりたいと不謹慎にも思ってしまう。日本中が意気に感じたろうし退院後はアパの良さ感じリピートするだろう。すごい戦略。ご本人は計算じゃないだろうけど

アパホテル、株が上がるんじゃないのかと調べてみたら、意外にも上場していない!その理由はトップダウンの意思決定がしにくくなるからだとのこと。なるほど。今回の決断も偶然じゃない。上場してたらやれなかったかもしれないね。

ステキな方です。

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CMで「美しさは生きる力~」と唱える

化粧品のクリスタルジェミーの社長、中島香里さん。頭に顔以上の大きさでヘアを盛っている。塔頭と言っていい。

私は「美しさは生きる力♪」のCMが大好きで出ると釘づけになる。白さと塔頭のインパクトがすごい。タケモトピアノとハズキルーペCM3雄と称してもよい。骨格のエラがある顔立ちなのだが、エラがあるがないように見えるのは美白の賜物。美白大臣と自らコピーするだけあります。

こんなに美白で肌が美しくスタイル抜群でエラやシワが目立たないのに、なんとなく還暦前後と分かるのは、一体どうしたわけだろうか。「若さ」というのは美白でも肌でも骨格や弛みスタイルでもないのだ。そこに不思議な違和感がありCMが秀逸なのだ。本人も分かってやってる。

CMは何か世間ずれした違和感、というものがないと人の記憶には残らない。(これが単なる美人女優だったら商品は売れてない)何か摩訶不思議な不相応で異次元的な世界観がクリスタルジェミーにはある。素晴らしいのが、広告やCMが幸せそうであること。他者にどう言われても塔頭を頭に載せ金をかけて不思議な衣装と美白に凝る。そこに中高年以上の新しい未来像がある。アパホテルもそう。古い価値観、この年代で評価されるべきは良妻賢母の地味なオカン。しかし真逆の美を提示する。そこに痺れる憧れます!

アパホテルとクリスタルジェミーの女性社長さん

この二人の共通しているのは

●顔が意外に地味
●化粧が濃い服装が派手
●成功譚の物語がある
●自ら販促宣伝に出る
●信念がある
●若々しい年齢不詳

という共通点があります。この頭の派手さ、目を引くファッションが会社の個性付け、カリスマ性、商品と会社への信頼へ繋がっているのです。

神秘性を増す頭の歌姫

歌手、素晴らしい歌唱力の持ち主たちも、特異な頭をしている人がいます。

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歌手MISIAさんの似顔絵イラスト 仏像のような大らかな目鼻の位置がスケールの大きさを感じさせる

アフリカンなファッションと頭に巻いた大きなターバンがトレードマーク。何が入っているんだろう、重くないのだろうか、と心配します。が、素晴らしい歌で壮大な世界観に圧倒されます。この人が歌うシーンを見ると「スゲー!スゲー!」ばっかりで全てが吹っ飛んでしまうよね。

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歌手のJUJUさん仏像のような神秘的な表情が歌に彩りを与える

歌手のJUJUさんも頭に特徴があります。いつも大きな帽子をかぶっています。

背も高く、足も長いし、この帽子とハイヒールで更に細長くなってしまいます。

どんな歌も歌いこなし、聞く人を感動で包み込むJUJUさんの魅力を助けているのがこの頭でしょう。

ミーシャさんもJUJUさんも、個性的な頭とファッションで、共通してます。まつ毛をしっかり載せて、化粧も濃い。年齢も良く分かりません。描いていて、気が付くに相当、顔立ちも整っておられるようですが あえてそのような正体不明のブランディングにしている。

たぶん、若さや美貌という「女性性」を売りにはしたくないのでしょう。昭和の女性歌手は美人かそうでないかが取り沙汰されましたが、そのようなバイアスを取り払った。歌で勝負。それが新時代の歌姫たちなのです。

豪華絢爛なトサカとしての頭

盛る頭といえば、ヨーロッパの貴族たちでしょう。

かつてのフランス革命時のフランスでは頭にどんちゃか載せるのが流行でした。

あのベルばらの主人公、悲劇の王妃、マリーアントワネット。彼女は当時のファッションリーダーでした。羽やリボンがふんだんに乗った頭。グレイッシュカラーのヘアスタイルは今の若い子も好きかも。

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「パンがなければケーキを食べればいいのにい」の言は創作デマだったらしい
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エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブラン – Versailles, パブリック・ドメイン, リンクによる

女性画家、ルブランによるもの。16世紀の肖像画は本人の喧伝やお見合い写真替わりに使われたので、完全に美化されています。

似顔絵イラストを描いてると何で断頭台にかかったのか分かる気がします。妙にムカつく御面相です。

貴族の肖像画特有の気品をかき消すほど頬のツヤと可愛さが溢出ている。

実際そういう人だったからだと思えます。顔は人の100%です。虚栄心とファッションのことしか考えてないような感じがしてしまう表情。

盛りヘアーの中は空っぽなんじゃないかとつい思える高慢な若いアントワネットです。(ツヴァイクの小説によると晩年は試練に耐え、人格が向上している。しかし、それでもギロチンで殺される悲劇の王妃)

髪の毛や頭を目立たせるとオーラが増す

アイドルも髪の毛を盛って美しく飾りたてます。

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二人組アイドル ウィンクの似顔絵イラスト

アイドルのWinkさんも頭がさまざまな飾りが付けられていて個性的でした。顔が端正でアジア的なのに、髪の毛はゴージャスだった。時代の特徴でしょうか。

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NHK「昆虫すごいぜ!」の香川照之さん

女性に多い盛り頭ですが、男性方にもいましたね。

昆虫すごいぜのカマキリの頭はコスプレです。香川照之さんの濃いオッサンぽい顔を子どもさん向けに柔らかくするためだと思われます。が、中身がスゴすぎるので、隠せない。カマキリの頭を頭をつけることで、かえって狂気性が増します。

美輪明宏さんの似顔絵イラスト
この人も長崎県出身、美輪明宏さん

美輪明宏さんは、金色の豪華なヘアスタイルで神秘のカリスマ性を演出。未来も過去も現在も支配見通しそうですね!

頭をゴージャスにすると、美が増して何か別世界の不思議な力が備わったようになるのです。

こうして見ると、頭を盛るのは女性が多いですね。やはり異性を惹きつける意味もありますが、巫女、シャーマン的な役割があるのでしょう。長い大きな髪に霊力がやどる、とはよく言われるものです。古いけど、サイババさんも髪が長かったなあ。