香田忠彦さん帰還

いや~忠彦さん戦地から帰ってきましたね。よかったよかった。

って

また絵を描くんか~い!

やっぱり堅気にならんのか~い!っ

てつっこみは母の鈴さんの心の声ですが、私もこの忠彦さんを見るたびに、そう思ってしまいましたよ。厳しい?

絵描きの葛藤

いや、まあ、私も絵を描く端くれなんで…。

収入が時期によって上下するんですね。年間のトータルではまあまあトントンで、さほど葛藤することもないんです。

実入りのいいときは堂々としているんですが、そうじゃないときは自己嫌悪に陥ること、陥ること。

「堅気!今度こそ堅気になるのよ!こんな不安定な仕事は辞めるの!」と叫ぶこと甚だしい。

しかし、この香田忠彦という登場人物は違う。

自分の好きなテーマしか描かないし(売れる絵を描かない)、子供を4人も作って(妻が働けない状況)、生活費は実家頼り。豪邸に住んで、上村松篁(うえむらしょうこう:日本画家 母親は上村松園 鳥をモチーフにして、自家鳥飼育場を持っていた)ばりに鳥を大量に飼っている。

おい!

とつっこむ。今週は、ついに福ちゃん夫婦が家を出る。母親まで出る。(つまり働いて現金をかせげる人がいなくなる)のに

「堅気になろうと思ったけど、やっぱり描きたいからや~めた!」

とほざきやがる。

数回にわたり、例えばですね、荷揚げの仕事についてみて、ああ、特別じゃない(画家は特別な人種と思っているのがクソ腹立つ)人々の働き方はこうなんだ、そうか、今度はもっと市井の人々に訴えかける絵を描こう!という展開にしてくれたら、まだ許せるのに。

あるいは、絵が描けりゃ、ハンコの図案なんて思いのままでしょうが!鳥のイラストハンコ作ったら売れるだろうが!知り合いのハンコ屋が「最近、猫イラストハンコ作ったらバカ売れ」と言ってた。自分の才能を商売に使うのがそんなにイヤなのかよ!

売れる売れないはそういう転機があってこそなんちゃうの?

しかし、妻に「やっぱりあなたは才能のある特別の人」と甘やかされまた描いている。今度はヒラメの絵。なんやねん。

おい!ゴラア

しかし才能というものはこういうメンタルの強さも必要なわけです。周りがどう言おうと自分のしたいことを貫き通す、という。

あの藤子不二雄の二人もそうです。いや、Aの方にも才能もあるんですが、ドラえもんの方の作者は絵を描かない仕事に耐えられず、100%マンガを描くことを選んだ。そういう社会不適応者になるくらいのメンタルでないと世紀の傑作が生まれなかった。24時間絵を描いていたいメンタルこそ才能。一般的な仕事をしていては良い絵が描けない。確かにそういう考え方もあるでしょう。

そういう才能人は稀で、たいがい、自分は絵やマンガしか描けない!すごい小説家になる!だからそれしかしない!という人がニートや貧困に陥って中高年を迎えているのを最近、頻繁に目にしているもんで。人生の賭けに出た人々。賭けに出ないと成功しない、宝くじを買わないと当たらない、その通りですが。なんかモヤモヤするう~。

すいません、マジになって。自分にない強さと拘りで絵を描き続ける人を羨んでいるんでしょうね。私。

顔が長いナゾのイケメン、要潤

顔長いですね。つうか、アゴが長い!長すぎる。

それでもイケメンに見えるんだから、人の顔というのは不思議なものです。

鳥を配してみました。

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堅気で一度は働いてほしい画家の役の婿

鳥を一生のモチーフにすると決めていたようですが、花鳥風月は日本の絵の原点。売れないはずはないですが。売れないという設定なので、売れないのでしょう。

真面目にキャンバスに向かっていると写楽の描くにらみを利かせた歌舞伎役者に似ています。

これからが楽しみ

戦争体験という悲惨な契機を経て、忠彦さんの描く絵のテーマも画風も変わってくるのでしょう。

克子姉も親に反対されて結婚したので、プライドがある。ダメ夫だと母親に言わせないためにも夫のこの画業を応援せざるを得ないのか。いずれ現在ではニートかよ!というタイプの夫にキレルのか。切れないのか。

母親ですら、発明家の婿の方がマシだと末女についていくくらい、画家というのはオパーパーな人生をたどるものです。一般常識もないから性格は破綻する一方だし。

そのうちとんでもなく売れる画家になり、克子姉ちゃんも報われるのでしょうか。

これから物語にどういう風にこの姉の夫が関わってくるのか。Twitterの噂では、あの日清のチキンラーメンのキャラデザインをこの忠彦さんが作るのでは?と言われてますが、目を離せないキャラの一人であります。

なんとなく面白みがあるのは、タイムスクープハンターの人、という先入観があるせいかもしれません。完全なイケメンになりきれないんですね。