時代劇のキャラクターのイラスト
ほぼ平日毎日、有名人を描くという自主トレをしているのです。
前回、大人数似顔絵のハードルを上げてAKB48さんを描く宣言をしたんですが。あっさり変節することにしました。
というのは今私は、NHKの大河ドラマ「真田丸」に夢中なんですよ。
歴史ドラマが大好き!
この年になると(たぶんホルモンとか冬のせいか)楽しみがろくにない。漫画も小説も老眼入ってきて目がショボショボ。テレビのバラエティは、頭の回転が遅く、10分とついていけない。
しかし、戦国の時代劇は、なぜか血気がはやり、ウキウキしてくるのでした。以前も黒田官兵衛のとき、ようやく生きる張ができたと、楽しみに毎週過ごしていました。
なんでしょうね、戦国と関ヶ原って。日本人のDNAに何か入っているんでしょうか。
私の日々は、この「真田丸」と「おそ松さん」だけが楽しい。それを支えに日々のルーチンをこなしています。
真田丸のメンバーについて描きたくなったきた。
魅力的な真田家の長男役
まずは幸村であるところの信繁(主人公・堺雅人さん)から描くのが筋だと思うのですが
Twitterなどでも盛り上がるとおり、実に、この大泉洋さん演じる、真田信幸さんが良い。
味がある。面白い。
先週なんて泣きながら笑いころげました。
ひどい話です。この真田家の跡継ぎであるところの信幸さん。ものすご真面目で誠実で、優しい。
しかし、カリスマのおやじと弟に挟まれ、翻弄され、苦労が絶えない。
上杉に書状を届けよ、おまえにしか出来ないとか言われて、決死の覚悟で向かう。しかし、途中で襲われて、書状を奪われてしまう。
信幸、こんな失態、腹を切ってお詫びする、と父に言う。しかし、それは実は父の策略だった。わざと書状を奪わせたと。
「父上…そんな…」
「敵を欺くにはまずは味方からというではないかグヒヒヒ」
「…」
毒親ですがなw
戦国時代の長男の悲哀を上手く演じている
裏切りと弱肉強食の戦国時代。真面目で優しいだけでは生き延びれないとはいえ、この仕打ちはひどい、父上。
しかし、父はまた上手いこと煽てて長男を持ち上げ、息子をだました所業をごまかす。ああ、長男長女ってこういうことありますよね。
大泉さんは、この悲劇的な長男の心情を味わい深くコミカルに演じて、心をとらえます。
他にも出てくる登場人物のキャラクターも個性的でイキイキとしていて、目が離せません。最高です。三谷戦国ドラマ。
現代人にも通じる共感できる!
従来の大河ドラマのお約束、「乱世を終わらせる」「国の太平のため」「天下国家」「義のため」「皆が平等で幸せな社会」などという、おためごかしのニッポンカルトお題目。それらがないのも見ていて痛快です。「平和のために」などという大義名分など誰も口にせず(家康すらも言わない)のが素晴らしい。(前回の黒田官兵衛も私利私欲明白なのに、一応「太平の世の中ため」とか言ってた)
まだ3回放映ですが、この真田家という家族が、どうやってこの大変な世の中を泳ぎ切るか、それだけ。そのような卑近なテーマが主題であることがわかってきます。
しかし、それこそが魅力。現代の我々が感情移入できる。戦国時代、服装も食べ物も違うのに、共感して泣いたり笑ったりできる「物語の力」がある。
ネット社会、グローバル化。ブラック企業。大企業倒産買収。
学歴あればいい上の人の言うことを聞いていたら一生安泰などということが通用しない、昨今です。
この真田家のように家族みなで生き残り生き延び、泳ぎ切る、というだけでいかに大変で命がけであるか。
皆が一枚岩で結束するというワンピース的な理想は現実にはなく、それぞれが色々な思いを抱えながら、戦国・関ヶ原・大阪の陣まで駆け抜ける。
目覚ましい才能と活躍をする父と弟。黒田家の息子もそうですが、この兄も、家の本流とは離れていく結果になるのですが
そこにも、現代に生きる我々にも通じる教訓がある。
この大泉洋さんという役者の存在感がすごい。ある意味、狂言回し、影の主人公でもあります。