大ヒット忍者映画「忍びの国」の登場人物
國村隼さん演じた「忍びの国」北畠 具教(きたばたけ とものり)のコスプレ似顔絵です。
ぶっ壊しているのは、それ一つで城が建つという「こなす」という宝物。
北畠具教ってどんな武将?
この北畠さんは、伊勢の国(現在の三重県)の8代目の当主。伊勢国は織田信長の息子 信雄にのっとられ、惨殺されるので、実質最後の北畠の当主です。
「忍びの国」の物語の最初に、この國村さん演ずる当主が裏切りにあい、殺されてしまうのです。それも自分が信じていた腹心の部下たちによって。
部下は伊勢谷友介さん演じる日置大膳(へきだいぜん)らによって。
映画【忍びの国】伊勢谷友介(いせやゆうすけ)さんの似顔絵【武将コスチューム版】
そのシーンの悲劇性と迫力がすごい。シェイクスピアのリア王を彷彿とさせます。
ウィキには北畠具教 – Wikipedia
具教は剣術を好み、修行の旅をする剣客を保護・援助していた。自身も塚原卜伝に剣や兵法を学び
とあるので、北畠自身も相当の使い手である。やすやすとは殺されない。時代は織田の勢力が強く、いつかはこの日がくるとは知っていた、滅ぼされると知っていた。自身も潔癖ではなく、他を裏切って殺してここまできた。
國村隼ならではの悲劇性と残虐性
しかし殺せるものなら殺してみろ、という凄み。目の前で、みんなが欲しくてたまらない「こなす」をぶっ壊し、不敵な笑みを浮かべながら闘います。
國村隼さんしかできない演技。その爬虫類のような残虐性と悲劇性。目が離せない。
「忍びの国」という映画はその軽妙な主人公(ジャニーズの大野智さん)の演技によって緩和されていますが、どの登場人物も悲劇と裏切りを抱えている。
北畠 具教と部下たちとの立ち合いは、根底に流れる戦国の世の「裏切り」というテーマの最初のエピソードです。
この國村隼さんの重厚で文学的な演技がなければ「忍びの国」単なる忍者活劇映画に成り下がっていたかもしれん。
それほど忘れられないシーンでした。
もうそろそろ公開終了かも。観てない人はぜひ足を運んでみて!