似ている顔や特徴を探す癖がついた!
似顔絵の仕事をするようになって、人を見るときの視点が変わりました。
例えば、年末年始には沢山の家族連れが歩いている。顔を見ると遺伝子が確かに受け継がれていて、
あ!あの人は親子だ!
あの二人一人は太っていて、こちらは痩せているけど、どうみても似ている!兄弟だ!
など、顔の特徴を捉えてみる癖がついてしまいました。
おばあさん、おかあさん、お孫さんの三人なんて、もうそっくり!なんて見ててメッチャ受けてしまう。
電車の中で、見て笑われるなんて気分が悪いだろうと必死にこらえていますが、三世代がそっくりな顔と動作で初詣に出かけるところを拝見したら、楽しくて楽しくてつい笑いかけてしまいます。
赤ちゃんもそっくりだったりすると一日思い出してニヤニヤが止まりません。
だから家族の大人数の絵を描かせていただくときは、あ~この子はおばあちゃんに耳が似ていて、おじいちゃんに鼻が似てて、目の感じはパパで口はママなんだ!
むふふふふ~^^
なんて楽しい発見をいっぱいしながら、独り言をつぶやき描いております。
重大事件の人を描く!?法廷画家とは!?
というように楽しい面白い似顔絵の稼業です。
本格的に似顔絵の仕事をするようになったのは40代半ばからです。しかし、絵を描く仕事を模索しだしたのは40代にはじめからで、色んな試行錯誤しました。
今は在宅で受注方式に落ち着きましたが、一般的な似顔絵師のイベントの席描きをしてみたり、似顔絵に関係なく、一時は漫画家をしてみたり、絵でどうやったらお金が稼げるか、どういう商売があるか調べては応募したりと。
そうして模索していた40代のはじめに、法廷画家の募集を求人案内で見つけたことがあります。
法廷画家とは、あのテレビで出てくる裁判の絵を描く人です。
裁判中の写真は撮影禁止なので、絵描きさんが短い時間で、被告人や裁判官の姿を描くもの。
映画「ぐるりのこと。」で、リリーフランキーさんが演じていたのが法廷画家です。
応募しようかと人に相談したら「不規則なスケジュールで悲しい事件の絵も描かなくてはいけないし結構責任の重いキツイ仕事だよ」という。迷っているうちに募集が打ち切られました。惜しいことをしました。
専らマスコミや新聞社などの口コミや紹介による採用で、一般募集はなかなかないようです。
が、絵を描く安定的な仕事ともいえる。絵や似顔絵に自信がある方、チャレンジされるのもいいのではないでしょうか。
検索したら経験された方の記事やブログもあります。とてもやりがいがありそうです!
警察の似顔絵を描く捜査官
他にも意外なところで似顔絵を描く仕事があります。
先日、買ったモーニングという漫画週刊誌。
楽しみにしている漫画に「ハコヅメ ~交番女子の逆襲~」というのがあります。
警察マンガは沢山ありますが、この漫画は、警察官になった女子のひきこもごもを描くコメディ。取材もよくされていて、フィクションとは思えないリアルなエピソードが満載でものすごく面白いです。
今週の回で、なんと、主人公の一人が、似顔絵を描くシーンがあります。
そうか!警察では似顔絵を描く仕事もあるんですね!
これもすごい仕事だな~やってみたいな~と思いつつ、あくまで警察官が操作のために行うもので、その辺の一般人にはできません。
試験を受けて合格した警察の人が描く捜査の一環。ポリスでなければ話になりません。残念。
指名手配も写真ではなく、似顔絵であることも多いですね。あれ、すべて警察の方が作成しているんです。
▲ちょっと残酷な事件が多くて怖いリンク先ですが…。似顔絵がかなり多いことにびっくりします。
たかが似顔絵されど似顔絵。
写真がなくて目撃情報だけの場合、似顔絵が唯一の手掛かりになる。
似顔絵をきっかけに逮捕されたり事件の解決に向かったりするので、上手く描けなければ大変なことです。
警察官が視た犯人を絵に描くのではなく、一般の目撃者からの伝聞で描いていくのです。なのでヒアリングの技術も必要です。強引な聴き方をしたり曖昧な聴き方をしたら絵が全然違うものになることでしょう。
他人が見た印象を絵にしていくというのはとてもとても大変で重大な責任があります。
時代劇で使われる手配書の絵
思い出すに、昔、太秦映画村の似顔絵描きのバイトをしていたときがありました。
定期的にそういう仕事がくるんですね。でも、それは本当の警察の捜査のためではなく、お芝居のための似顔絵。
つまり時代劇の手配書の絵
今度のドラマに出す絵を描いて~って。太秦の撮影所のお芝居の本部の人からお声がかかるんです。時代劇ドラマでよく見るじゃないですか。木の立て看板に貼り付けてある「お尋ね者」の筆の絵。そういう意味では似顔絵って昔からあるお仕事なんですね。
個人の楽しみ、庶民のプレゼントとして使われるようになったのは現代になってからです。
警察官出身の絵師さんがいる!
そういえば、似顔絵師の先輩に警察官で似顔絵を描いていて、いつしか、本職の似顔絵師になられた方もいます。
有名な方で、テレビにも何度も出演されているので、ご存知の方も多いのでは。
いぬづかてつや さんとおっしゃり
警察官から似顔絵師になられた経緯はとてもドラマチック!
とても可愛くてPOPな絵を描かれ大人気なんです。
似顔絵捜査の講座も開かれています。
絵が好きだけど警察官にもなりたい!と言う人がいたらぜひ目指されるのはいかがでしょう。未来は名物捜査官に?!