大ヒット忍者の時代劇にこの重厚な役者さんが!
映画「忍びの国」は意外に(!)出来のいい時代映画だったんですが
キャストの若さといい、ジャニーズ層向けに分かりやすすぎる作り、一歩間違えば大衆娯楽アニメ活劇の体をなしかねないギリギリでした。
しかし、そうはならなかったのは、この方のせいではないか。
國村 隼(くにむらじゅん)さん
「忍びの国」ではあ!という間に死んでしまう役どころなんです。が、その存在感はすごかった。
國村 隼さんという俳優
明後日のコスチューム似顔絵を載せる予定で、役柄はそこで述べるので、先にこの「國村 隼(くにむらじゅん)」さんという役者さんの不思議さについて語りたい。
描いてて実感したのが
「爬虫類」ぽいなあ、と。
目の上下にカエルのような瞼と涙袋があり、唇が薄くて、顔色が悪い。最近は何故か金髪にされていて、よけいにノッペリ感が増しています。
コワモテの役柄の多い人
誰もが受ける第一印象は「怖い人」なんじゃないか。
同じ怖い壮年の役者さんに大杉漣さんがいます。同じような面長、アゴが大きい、ヤクザ向き、悪役の多い役者さんです。
10月にあのアウトレイジ最終章が公開されますが、お二方ともシリーズには出演され、國村さんの役どころは早々に惨殺されております。
とはいえ大杉さんがどことなく優しさがあり、怖いけど愛情のある父親役などがを演じられるのに対し
國村隼さんは、冷酷なのっぺりとした印象があります。
良い意味でのグロテスクな怖さというか。
韓国映画「哭声(コクソン)」の存在感が高く評価されたことも記憶に新しい。
悲劇性を帯びた存在感
もちろん情愛のある役も時々なさるのですが、大杉さんや他の同年代役者とは違う、悲壮感、怖さ、悲劇性があるのじゃないか。
実は、私、偶然にも國村隼さんのデビュー作『萌の朱雀』を観てるんです。
この役者さん、すごいなあ、と忘れられなかったんです。すぐ売れっ子になられました。もう20年前なのですが、印象が変わらないんです。当時から深い重厚な役どころでした。
何を考えているか分からない、そしてどこかへ行ってしまいそうな、おっちゃんの辛さを体現しているなあ、と。
そういえば、この方大阪育ちです。
フラフラと街で一人でさまよっているような関西のおっちゃんの悲しさ辛さ怖さがあるんです。